アルミ6000系は溶接に向いている?性質や用途を解説します!
アルミ合金6000系は溶接には不向きである
アルミ合金6000系は一般的には溶接に不向きとされています。
アルミ合金には様々な種類がありますが、アルミ合金6000系は純アルミニウムにマグネシウムやシリコン等の異なる物質が添加されている合金です。これらの物質の添加によって強度や耐食性に優れている一方で、溶接に関しては不向きであるとされており、一般的には6000系を溶接加工に用いることは少ないでしょう。こちらの記事では、アルミ合金6000系が溶接に不向きである理由についてより詳しく解説していきます。
アルミ合金6000系が溶接に適していない理由について
アルミ合金6000系が溶接に適していない理由はいくつかあげられますが、一言で表すと溶接加工をした時の「ひび割れやすさ」にあります。
溶接性の評価においては、「欠陥の発生のしやすさ(溶接欠陥に対する感受性)」や「溶接金属の形状や外観」が重要な要素となります。これらを損ねてしまう場合、溶接性が低い、すなわち溶接に不向きと判断されます。アルミ合金6000系で溶接加工を行った場合、経年劣化に弱いことに加え、ひび割れで外観が悪く見える可能性や、最終的に破損してしまうケースが見受けられます。
アルミ合金の種類について
アルミ合金にはいくつかの種類があります。先ほど述べたように、あまり適していない材料(今回の例だと6000系)で加工をしてしまうと、破損だけでなく、事故の原因にも繋がる可能性があります。
ここでは、ざっくりとアルミ合金の種類を紹介します。
1000系 | 成分の99%がアルミニウム 柔らかい材質で加工しやすく、熱伝導率と通電性の良さが特徴 |
2000系 | アルミニウムに銅を添加したもの 1000系よりも強度を高めたもので、熱処理をしてから使用することが多い |
3000系 | アルミニウムにマンガンを添加したもの 加工性、耐食性が良く溶接に向いている |
4000系 | アルミニウムにケイ素シリコンを添加 耐熱性があり融点が低いという特徴から溶接溶加材等に使用される |
5000系 | アルミニウムにマグネシウムを添加 含有するマグネシウムの量で強度を調整できる |
6000系 | アルミニウムにマグネシウムとシリコンを添加したもの 経年の劣化に強いが、熱により強度が下がるため溶接には不向き 押し出し性に優れているためサッシなどに用いられる |
7000系 | アルミニウムに亜鉛とマグネシウムを添加したものと、それらに銅を加えたもの 経年劣化を防ぐために熱処理を施す 溶接性も高い |
8000系 | その他のどれにも属さない合金 |
アルミ合金6000系の特徴
アルミ合金6000系の特徴は上記で見たように、純アルミニウムに比べて強度や耐食性に優れ、さらには押し出し加工や曲げ加工が行いやすいという特性があります。そのため、細かい部品から強度を要する大きな構造物まで幅広く使用され、自動車のボディシートや道路標識、光学機器、建築用サッシ等に使われています。
では、アルミ合金6000系以外で実際に溶接加工に向いている合金とはどのようなものなのでしょうか?詳しく解説します。
溶接に適しているアルミ合金とは?
▼溶接に適しているアルミ合金とその理由
- 1000系(純アルミニウム)・・・柔軟性がある
- 3000系・・・純アルミニウムに比べ強度・溶接性に優れる
- 5000系・・・強度の調節が可能
- 7000系・・・強度と加工性を両立できる
このように、上記の特性を持つため、溶接に適しています。
同じアルミ合金と呼ばれるものでも種類が沢山あるため、加工する部品の種類や、加工した製品を使用する場所によって、材料を使い分けることが必要だといえるでしょう。
材料の選定は専門業者に依頼するのがおすすめ
材料の選定については、信頼できる専門業者に相談することで、製作内容に応じて適した材料を選定することができます。適した材料を用いて、適した方法で加工することにより、最低限の工数で製作できるため、全体的なコストも抑えることができるでしょう。
東京都大田区にある小池製作所では、溶接加工の専門技術を持つスタッフに気軽に相談することができます。創業65年の経験と長きに渡る信頼関係を大切に、都内から全国までさまざまなご依頼をいただいております。
実際のご依頼の流れ
実際のご依頼の流れを紹介します
- お問合せ・ヒアリング
- ご提案と見積り
- ご契約と発注
- サービスのご提供と製作
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