アルミのロウ付けは銀ロウでもできる!熟練の職人による高度な加工技術をご紹介
アルミのロウ付けには銀ロウを用いることも可能です
ロウ付けは母材を溶融させず、溶材を溶かして母材同士をロウ付けできる点が特徴です。
この作業では、通常、母材よりも融点の低い溶材を使用します。ですがアルミは融点が低く、溶材の融点が低いとアルミの融点に近くなるため、作業時には厳密な温度管理が求められます。
難易度の高いアルミのロウ付けですが、溶材に融点が比較的低い種類の銀ロウを用いることで、アルミへの影響を最小限に抑えることが可能です。また、アルミのロウ付けは、溶材の種類だけでなく職人の経験や知識に基づく温度管理などの作業も、仕上がりに大きく影響を与えます。
小池製作所では、銀を用いた溶材によるアルミの接合が可能です。薄いアルミ、複雑な形状のアルミなど、接合が難しい製品でも、高い技術を持つ弊社の職人が精密かつ丁寧に仕上げていきます。
銀ロウとは?
銀ロウは、銀を主成分とする溶材の一つです。銀を含むため耐久性や耐食性が高く、さまざまな金属の接合に用いられます。
比較的溶融点が低く、熱の影響を受けやすいアルミなどのロウ付けに適した溶材です。銀の含有率などに応じて複数の種類があり、製品の使用環境や形状などによって適切な種類を見極める必要があります。
銀を用いた溶材を使う場合でもアルミのロウ付けは難易度が高いため、依頼する際は豊富な実績があり、専門知識や経験が豊富な職人が対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
銀ロウの主な特徴
銀ロウは、融点が低いという特性からアルミだけでなく真鍮の接合、異種金属の接合などにも用いられることが多いです。母材への影響も少ないため、なめらかで美しい仕上がりが求められるシーンや、ごく小さい面積に接合するシーンでも役立ちます。
そのほか、比較的接合の強度、気密性が高いという特徴もあります。小さい部品を取り付けたい場合も、銀を用いた溶材を使うことで外れにくく、しっかりロウ付けすることが可能です。銀ロウでロウ付けをすると、液体や空気、電波まで、外部に漏れにくい高い気密性を確保できる点も利点です。
銀ロウの種類について
ロウ付けでは、JIS規格でBAg-1、BAg-2、BAg-3、BAg-4…と分類された銀を用いた溶材を使うことが多いです。この溶材には銀だけでなくほかにも銅や亜鉛などの化学成分も含有し、含有する化学成分の種類や量によって分類され、それぞれに作業に適した温度が異なります。
どの種類の銀ロウが適しているかは、各溶材のロウ付けに適した温度や銀の含有量、そのほかの含有成分の種類、割合、さらに製品の使用目的などによって異なります。
例としては、以下のような特性をもとに使い分けることが可能です。
- BAg-1……融解温度は620~760度。流動性がよく、比較的低い温度での接合が可能
- BAg-2……融解温度は700~845度。溶融温度の範囲が広く、接合部の間隔が不揃いでも接合しやすい
- BAg-3……融解温度は690~815度。流動性はあまりよくない一方、ニッケルを含み、耐食性が高い
- BAg-4……融解温度は780~900度。耐食性と機械的性質に優れ、BAg-3よりも流動性がいい
- BAg-5……融解温度は745~845度。カドミウムの使用は控えるべきである食品機器などの接合に適する
- BAg-6……融解温度は775~870度。BAg-5と同様食品機器などの接合に適し、溶融温度の範囲が広い
- BAg-7……融解温度は650~760度。カドミウムを含まない銀ロウのうち最も融点が低く、サイズも豊富
- BAg-8……融解温度は780~900度。銅や銅合金に対して流動性がよく、真空ロウ付けなどに適する
なお、小池製作所では、銀ロウを用いたアルミのロウ付けにおいて、流動性がよく低い温度で作業ができるBAg-1、耐食性がよく機械的性質が高いBA-g4を使用しています。
小池製作所なら銀ロウを用いたアルミのロウ付けが可能です
金属加工会社の小池製作所では、銀を用いた溶材でのアルミのロウ付けが可能です。アルミはロウ付けが難しい溶材ですが、小池製作所には多数のロウ付けの事例があり、知識と経験のある職人が対応します。
銀ロウ以外にも、作業する製品の特徴や使用用途に応じて、最適な溶材を選定します。金属加工の実績が豊富にある小池製作所だからこその技術を駆使して、丁寧に作業をおこないます。
小池製作所の特徴を紹介するので、銀ロウによるアルミのロウ付けの依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
職人の手によるロウ付けの技術
小池製作所には接合の経験が豊富な職人が多数在籍しており、一点一点丁寧に手作業をおこなっています。ロウ付けする製品の特性や使用用途を加味して、最適な提案、作業ができるのも、積み上げられたノウハウを持つ小池製作所の強みです。
小池製作所は、金属加工に携わり続けて65年以上の歴史があり、知識や技術は長年にわたってベテランから若手に引き継がれています。アルミの接合のように職人の高い技術力が求められる難しい加工ができる業者は、近年減少しつつあります。ですが、小池製作所は技術を継承する体制が整っているため、長期間の継続のご依頼も対応可能です。
親和性の低い素材同士もロウ付けできます
金属加工に自信がある小池製作所では、アルミとステンレスなど、一般的には接合が難しいとされている金属同士の接合もお受けしています。
融点や熱伝導率などが異なる金属同士でも、接合に適した溶材や温度などを見極め、作業を進めていきます。
接合の作業自体はもちろん、フラックスによる前処理や作業後の処理も徹底しておこなうため、どのような難しいご依頼でも、高クオリティに仕上げて納品いたします。
「他社に断られてしまった」「どこに相談すればいいかわからない」とお悩みの場合は、まずはお気軽に小池製作所にお問い合わせください。
小ロットでの製作が可能
小池製作所では、試作や少量の生産にも柔軟に対応しています。大量生産しか受け付けていないメーカーに依頼すると、コストがかかったり余分な製品を抱えたりしてしまうため、小ロットでの依頼をお考えの事業者様は弊社にご相談ください。
アルミの接合など細心の注意が必要な作業は、職人が手作業でおこなっています。一点一点の製品を丁寧に仕上げますので、量より質をお求めの事業者様にもご満足いただけます。
接合だけでなく設計から加工、表面処理などにも対応しており、お客様の「形にしたい」という思いを徹底的にサポートさせていただきます。
小池製作所の過去のロウ付け加工事例
小池製作所は、多様な金属加工を手掛けてきた実績があります。過去の事例の一部を紹介します。
- アルミフロートのロウ付け
薄いアルミ製フロートの接合事例です。アルミのなかでも、薄いアルミはとくに慎重な作業が必要です。厚さ1mmのアルミへのロウ付けを成功させるため、5回の試験をおこない仕上げました。
- ロボットの指先のロウ付け
ロボットの指先にあたる部分の接合をおこないました。こちらはアルミではなく真鍮と銅ですが、小池製作所ではこのような異種金属の接合の実績も多数あります。
小池製作所では、ほかにもさまざまな金属加工のご依頼をお受けしています。上記以外の製作事例は、以下のページもご覧ください。
製作事ページはこちら>
難易度の高いロウ付けは小池製作所へご相談ください
アルミは融点が低いことから、作業には高度な技術を必要とします。アルミの接合には銀ロウを用いることが多いですが、その場合でも温度管理など多くのノウハウが求められます。
小池製作所は、長年の経験に裏打ちされた高い加工技術で、銀を用いた溶材によるアルミの接合に対応可能です。難易度の高い接合や、精密さが求められる製品の接合は、ぜひ小池製作所にご相談ください。最適な加工方法を提案し、高品質な製品を提供いたします。
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