アルミと銅のロウ付け承ります!異なる金属の接合が難しい理由とは?

アルミと銅のロウ付けは難しい?

アルミと銅のロウ付けは、異種金属の接合技術の中でも難易度が高い加工の一つです。その理由として、まず両者の特性の違いが挙げられます。
アルミは融点が低く、ロウ材の融点に近いため、ロウ付けの際に必要な加熱によって母材が先に溶けたり、変形したりするリスクがあります。

アルミ 銅 ロウ付け 溶けて変形したアルミの様子
▲溶けて変形したアルミ

また、銅は熱伝導率が高いためロウ付け時に熱が母材に早く広がりやすく、アルミと銅を均一に加熱することが難しいです。

このように、アルミと銅にはそれぞれの特性があるため、適切な方法で前処理や接合をおこなわなければ、接合時に変形したり、接合強度が不十分になったりする可能性が高まります。

異なる金属の接合加工が難しい理由

アルミと銅のように異なる金属同士の接合は、素材ごとの特性の違いが原因で非常に難易度が高いです。この二つは融点や熱伝導率などが異なり、加熱時の変形、接合強度の低下などの問題があります。

アルミと銅は、ロウ材の浸透を妨げる酸化被膜が表面に形成されやすいという特性もあり、接合前の適切な処理も必要です。

アルミと銅のように、異なる金属の接合を請け負う加工会社は限られており、技術力や設備の不足、コスト面の問題から依頼を断られるケースも少なくありません。
異種金属同士のロウ付け実績が多数ある小池製作所では、アルミと銅のように難易度が高いロウ付け加工にも対応可能です。接合強度や精度の高さなど、ご要望に応じた加工をさせていただきます。
アルミと銅のように難易度が高いロウ付け加工の依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ一度小池製作所にご相談ください。

アルミと銅の特徴を解説

アルミと銅は、それぞれ異なる特性を持つ金属です。

アルミは軽量で耐食性が高く、熱伝導性も優れています。また、比較的低温で溶融するため、加工がしやすい金属です。
一方、銅はアルミよりもさらに高い熱伝導性を持っています。ロウ付け時に熱が素早く拡散しやすく、接合部を均一に加熱しにくいため、温度管理が難しいのが特徴です。

アルミと銅は、それぞれ表面に強固な酸化皮膜が形成されやすく、ロウ材の浸透を妨げるため、ロウ付けをおこなう際は適切なフラックス処理などが必要です。
以下で、それぞれのロウ付けにおける特性を詳しく見ていきましょう。

融点が異なる

アルミと銅は、それぞれ異なる融点を持つため、ロウ付けの際には温度管理が重要です。

アルミの融点は約660℃と低く、加熱しすぎるとすぐに変形し、母材の形状が崩れる可能性があります。
一方、銅の融点は約1,083℃と高く、アルミとは大きな差があります。このため、ロウ付けの際にはアルミが溶けないように細かく温度を制御しながら、銅を適切に加熱することが重要です。

温度管理を誤ると、加熱しすぎてアルミが変形したり、加熱が甘くロウ材が適切に溶け込まなかったりと、接合不良のリスクが高まります。
アルミと銅のロウ付けを成功させるには、それぞれの金属の融点の違いを理解し、慎重に温度調整をおこなうことが欠かせません。

酸化皮膜ができやすい

アルミと銅は、空気中で酸化しやすい性質を持つ金属です。
酸化皮膜は強固なバリアとなりロウ材の浸透を妨げるため、ロウ付け時の障害となります。この酸化皮膜を取り除かないと、ロウ材が母材に十分に密着せず、接合強度が低下してしまいます。

酸化皮膜を除去する方法としては、化学的なフラックス処理や機械的な研磨などが一般的です。

フラックス処理は、酸化皮膜を化学反応によって溶解・除去する方法です。この処理は、複雑な形状の部品や手作業での対応が難しい場合にも向いています。
一方、研磨は、サンドペーパーや研磨剤、ブラスト処理などを用いて、物理的に酸化皮膜を削り取る方法です。この方法は、酸化皮膜の厚みがある場合や、局所的に強固な皮膜が形成されている場合に適しています。

アルミと銅は溶接できる?

アルミと銅の溶接は、技術的に非常に難しいです。
その理由の一つは、両者の熱膨張率と溶融特性の違いにあります。アルミの熱膨張率は銅よりも約30%高く、加熱時の膨張と冷却時の収縮に大きな差が生じるため、溶接部に歪みやヒビが発生しやすくなります。また、アルミの融点は約660℃と低いのに対し、銅の融点は約1,083℃と高く、同時に溶融させることが困難です。

さらに、溶接時には異種金属の混合によってもろい金属間化合物が形成されやすく、接合強度が低下するリスクがあります。アルミと銅の場合は溶接部がもろくなり、強度不足により破損する可能性が高くなります。このため、一般的なアーク溶接やTIG溶接などは、両者を直接接合するのには適していません。

一方、ロウ付けでは、母材を溶かさずに低融点のロウ材を使用するため、異種金属間の接合をしやすくなります。ただし前述のとおりアルミの融点は低いため、適切な温度管理の徹底が重要です。

ロウ付けと溶接の違い

ロウ付けと溶接は、金属同士を接合する代表的な方法ですが、両者には大きな違いがあります。

溶接は、母材を直接溶融して接合する方法です。アーク溶接やTIG溶接などの手法がありますが、アルミと銅のように融点や熱膨張率が異なる金属では、歪みや金属間化合物の形成による強度低下が起こりやすく、接合が非常に難しくなります。

一方、ロウ付けは、母材自体を溶かさずに、融点の低いロウ材を用いて接合する方法です。ロウ付けは局所的な加熱で済むため、母材への熱影響を最小限に抑えられ、母材の変形を防ぐことも可能です。

小池製作所はアルミニウムと銅のロウ付けに対応しております

アルミと銅のロウ付けは、双方の融点や熱伝導率の高さから難易度が高く、作業を依頼する際は技術力の高い加工会社に相談する必要があります。

小池製作所では、アルミと銅のように高い技術が求められるロウ付け加工にも対応しています。
モノづくりの街大田区で60年以上、真摯に金属加工に取り組み続けてきた実績があり、どのようなご依頼にもご満足いただける形で納品することが可能です。

以下では小池製作所のロウ付け加工の実績をご紹介するので、ぜひご参考にしてみてください。

ロウ付け加工や製品の製作実績

銅と真鍮という異種金属同士のロウ付け加工の事例です。電気工事会社様からのご依頼で、機械加工部品のロウ付けに対応しました。

アルミ 銅 ロウ付け 銅の絞り製品のロウ付けの様子

銅と真鍮は融点が異なり、加工時に真鍮が先に溶けてしまうリスクがあります。また、熱伝導率も異なるため、均一に加熱するのが難しいという問題もありました。ですが小池製作所では、温度管理を徹底しておこない、接合強度を高めるだけでなく見た目も美しく仕上げられました。
大量の部品のロウ付けでも、均一なクオリティでお届けすることが可能です。

ほかにも、小池製作所には異種金属同士のロウ付け実績が多数あります。詳しくはこちらの製作事例のページをご覧ください。
>製作事例はこちら

アルミ 銅 ロウ付け 小池製作所の画像

アルミと銅のロウ付けは小池製作所にご相談ください

アルミと銅のように異種金属同士のロウ付けは、難易度が高く対応できる加工会社が限られています。

小池製作所では、60年以上の金額加工の実績から、お客様のご要望に応じた加工が可能です。
経験豊富なベテランの社員と若手の社員が共に働きながら、技術を継承していくシステムも整っています。難易度が高い金属加工は、対応できるベテランの職人が引退してしまうなどの心配もありますが、小池製作所にご相談いただければ、長くお任せいただくことも可能です。

他社で断られたロウ付けを依頼したい、アルミと銅の接合方法に悩んでいるなど、以下のフォームからお気軽にお問い合せください。

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