ろう付けと溶接の違いとは?接合方法の基礎知識やメリット・デメリットなどを解説します

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ろう付けと溶接の違い

ろう付けや溶接と聞いても、違いがいまいち分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。どちらも金属を接合させる方法ですが、原理が大きく違います。ろう付けは低温で溶ける金属を使用して接合するのに対して、溶接は母材を溶かして接合します。

今回のコラムでは、ろう付けと溶接の接合方法の違いを詳しく解説します。はんだ付けとの違いもご説明しておりますので、金属同士の接合を検討しているものの、接合方法の違いが分からない方や、それぞれの接合方法の特徴を知りたい方はぜひご一読ください。

ろう付けと溶接の基礎知識

ろう付けは、ろう材と呼ばれる金属を利用して母材同士を接着する技術です。ろう材を溶かして母材同士の界面に流し込むことで、強固に接合できます。ろう材には銅や銀、アルミといったさまざまな種類があり、母材の材質によって使い分けられます。母材に適した金属を選択しなければ、十分な強度が得られないため注意が必要です。

溶接は、ろう材のような接着剤の役割を果たす金属を使用せず、母材そのものを溶かして接合します。溶けた母材が一体となり凝固することで接合するため、ろう付けよりも高い強度を持ちます

このように、接合方法を確認すると違いがよくわかるのではないでしょうか。

はんだ付けとの違いは?

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▲はんだ付けの例

はんだ付けも、金属の接合技術の一つです。はんだ付けは、はんだと呼ばれるスズを主成分とした合金を、接着剤の代わりに使用します。はんだを溶かして接合部に流し込み、母材を接着する方法です。ろう付けと接合の原理は似ていますが、流し込む金属の融点が違います。はんだは、ろう材よりも融点が低いため、母材への熱影響を低減できるのです。

ただし、ろう付けや溶接に比べて接合部分の強度が低い点には注意が必要です。接合強度が要求される部品には、はんだ付け以外の方法を選択しましょう。

ろう付けと溶接のメリット・デメリットの違い

ろう付けと溶接の違いを理解したところで、両者のメリット・デメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。ろう付けと溶接は接合方法だけでなく、メリット・デメリットにも違いがあります。したがって、それぞれの特徴を把握し、部品の用途に応じて適切に使い分けることが大切です。

ろう付けと溶接のどちらの方法で接合するべきか悩んでいる方は、両者のメリット・デメリットの違いを知ることで、製作部品の仕様に適した方法を選択するヒントになるでしょう。

ろう付けのメリット・デメリット

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ろう付けのメリット・デメリットを以下にまとめましたので、まずはどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

<メリット>

  • 加工時に母材への熱影響が少ない
  • 複雑な形状の部品にも適用できる
  • 接合したあとに取り外しが可能

<デメリット>

  • 溶接よりも強度が低い
  • 少なからず熱による母材への影響がある

ろう付けは母材を溶かさないため、母材が変形したり歪んだりしにくい点が大きなメリットです。したがって、高い寸法精度が求められる部品の加工に適した方法と言えるでしょう。

溶接のメリット・デメリット

溶接には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。こちらも同様にまとめましたので、まずは確認していきましょう。

<メリット>

  • 接合強度が高い
  • 接合部の気密性が高い

<デメリット>

  • 異種材料の接合が難しい
  • 高温で加工するため変形やひずみが生じやすい

溶接は母材同士を直接接合するため、強度や気密性が高いです。高強度を求める場合や液体・気体の漏れを防ぐ必要がある場合は、溶接が適しているでしょう。

ただし、溶接は母材を溶かす必要があるため、熱による影響が大きいです。したがって、アルミのように融点が低い金属の接合は、高い技術が必要となります。小池製作所では、難しいアルミの溶接にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

小池製作所の接合事例と技術について

接合方法の違いについてここまでご説明しましたが、写真でろう付けと溶接の違いを確認したいという方もいらっしゃるでしょう。ろう接と溶接は接合方法が違いますので、仕上がりも異なります。
ロウ付けは母材を溶かさないので、溶接よりも仕上がりが綺麗です。実際にどのように違うのか、弊社の接合事例を写真とあわせてご紹介します。

ろう付けの事例

・銅の絞り品×真鍮部品のろう付け

ろう付け 溶接 違い 銅の絞り製品

こちらは、電気工事会社様よりご依頼いただき、真鍮の機械加工部品をろう付けしました。見ていただくと分かる通り、接合部分が綺麗な仕上がりとなっています。

・アルミフロート

ろう付け 溶接 違い アルミ製フロート

こちらは、液体の水位を計測するためのフロートです。気密性が求められる板厚1mm薄いアルミをろう付けして製作しました。弊社では漏れ試験を実施しており、気密性が求められる製品に関しては、試験に合格したもののみを納品いたします。

溶接の事例

・アルミ板金×ポールの溶接

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こちらは、展示会で使用されるアルミの板金とポールの溶接品です。歪みやすいアルミは溶接が難しいのですが、小池製作所ではアルミの溶接の資格を持っているスタッフがおりますので、技術が求められる難しい溶接でも安心してお任せいただけます

今回は、ろう付けと溶接の事例をご紹介しましたが、弊社は金属加工全般に対応しておりますので、その他の加工実績もございます。弊社HPの製作事例ページにてご紹介しておりますので、ぜひ御覧ください。

加工事例をもっと知りたい方はこちら>

ろう付けと溶接に関するお問い合わせは小池製作所へ

ろう付けと溶接の違いについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。違いは分かったものの、どちらの方法で接合すれば良いのか判断できないという方も、中にはいらっしゃると思います。小池製作所では、設計から対応しておりますので、接合方法についても用途や目的に応じてアドバイスいたします

また、事例をご覧いただいて弊社へろう付けや溶接のご依頼をお考えでしたら、まずは下記のお問い合わせ先よりお気軽にお問い合わせください!

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電話 03-3731-9953(8:30~17:00 ※土日祝を除く)
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