銅へのロウ付けの強度はどのくらい?強度の強いロウ材も紹介

銅 ロウ付け 強度 銅のロウ付けの画像

銅へのロウ付けの強度や利用シーン

銅へのロウ付けは、接合部に高い強度を持たせる方法として広く用いられています。適切な温度管理と溶加材の選定によって、母材を溶かさずに強度を高く接合でき、耐久性や密閉性に優れた仕上がりにすることが可能です。

銅は熱伝導率が非常に高く、加熱時に熱が広範囲にわたって均等に伝わります。接合面全体がほぼ同じ温度になるため、溶加材が部材と部材の隙間へ均一に流れ込みやすく、接合部にムラが生じにくくなり、強度のばらつきを抑えられます。
熱の広がりが安定していることで、薄い銅板や複雑な形状の部品でも、熱によるひずみや局所的な過熱による変形が起こりにくいのも特徴です。

強度の高い銅のロウ付けはどのような分野で採用されているのか、また作業で注意すべき点を、詳しく解説します。

銅へのロウ付けが必要なシーン

銅は熱伝導性や電導性に優れ、加工しやすいという特徴があります。また、銅におけるロウ付けは、母材を溶かさずに高い強度で接合できる方法です。そのため、銅の特徴をいかしつつ、母材を傷つけずに強度の高い接合が必要な場面では、ロウ付けが採用されることが多いです。
銅のロウ付けが採用される例として、冷凍機器や空調機器の銅配管の接合が挙げられます。銅配管の接合では冷媒などが漏れないように高い強度と気密性が求められるため、ロウ付けは適切な接合方法です。

ほかにも、電子機器における電気端子を固定する作業でも採用されることがあります。ロウ付けははんだ付けより高い温度でおこなわれるため、はんだ付けよりも高温環境下での信頼性が高い接合方法です。

銅へのロウ付けをおこなう際の注意点

銅へのロウ付けをおこなう際は、使用する溶加材の選定が接合強度に大きな影響を与えます。溶加材を適切に選ばなければ、接合部の強度が弱まったり、接合品質にばらつきが出たりする恐れがあります。また、異種金属と接合する場合は、素材によっては不向きな組み合わせもあるため、溶加材や金属素材に関する深い知識が必要です。

さらに、銅は酸化しやすく、表面に酸化皮膜がある溶加材が広がりにくくなり、接合不良につながります。作業前には研磨やフラックス処理などの前処理が欠かせません。
安定した強度の接合を実現するには、銅の特性を理解したうえで、丁寧に工程を進めていくことが大切です。

小池製作所では、強度の高い銅のロウ付け加工が可能です。銅のロウ付けは高強度ではありますが、作業には高い技術力と豊富な知識が求められます。
小池製作所にはロウ付けの経験が豊富な社員が多数在籍しており、複雑な形状の製品や薄板など加工が難しい製品のロウ付けにも柔軟に対応することが可能です。

銅のロウ付けの依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ一度小池製作所にご相談ください。

銅のロウ付けの強度を高めるロウ材の種類一覧

銅のロウ付けでは、使用する溶加材の特性が接合の仕上がりに影響します。

強度を高めたい場面では、銀、リン銅、黄銅(真鍮)などの溶加材が多く採用されますが、製品の用途や母材の性質に適した選定が大切です。
たとえば、銀はほかの溶加材と比べると比較的融点が低く、扱いやすいため、さまざまな接合で使用可能です。リン銅はコストパフォーマンスに優れ、銅同士の接合に適しています。黄銅は鉄系の金属の接合に適しており、異種金属同士の接合に用いられることもあります。
どのような素材の接合でも、強度と信頼性の両立には最適な溶加材の選定が欠かせません。代表的な溶加材の特徴を紹介します。

銀ロウ

銀を主成分とする銀ロウは、流動性や濡れ性に優れた溶加材です。比較的低温で溶け、接合部に均一に広がりやすいため、複雑な形状や細かな部分の接合にも適しています。

また、銀ロウは仕上がりが美しく、耐食性にも優れているため、外観や耐久性が重視される製品の接合にも適切です。銅との相性も良く、電気機器や配管、装飾品など、幅広い分野で採用されています。

一方で、銀ロウは溶加材のなかでは比較的高価な点がデメリットです。コストパフォーマンスが重視される場合には、別の溶加材が採用されることもあります。

リン銅ロウ

銅を主成分とし、リンを添加したリン銅ロウは、銅同士の接合に最適な溶加材です。加工性に優れ、配管部品や電気系統、空調設備など幅広い分野で使用されています。溶加材のなかでも比較的安価で、コストパフォーマンスに優れる点も魅力です。

リン銅ロウは、銅同士の接合で、母材表面の酸化を制御できている場合はフラックスなしで使用できることもあるため、作業効率の向上にもつながります。

ただし、鉄やニッケルなどとは相性が悪いため、異種金属との接合の際には注意が必要です。適切な母材のもとで使用することで、品質を安定させることが可能です。

黄銅(真鍮)ロウ

黄銅(真鍮)ロウは銅と亜鉛を主成分とし、コストパフォーマンスに優れていることから広く使用されている溶加材の一つです。銅同士の接合だけでなく、ブロンズや鉄などの異種金属との接合にも使われています。

黄銅(真鍮)ロウは、比較的安価で、量産される機械部品や装飾品、住宅設備など、軽負荷で安定性が求められる用途に多く採用されています。

ただし、銀ロウやリン銅ロウなどと比較すると、接合後の強度や耐食性は劣るため、使用環境や荷重条件に応じて適切に選ぶことが大切です。

銅 ロウ付け 強度 小池製作所の様子

銅のロウ付けの強度にお悩みなら小池製作所へご相談ください

銅のロウ付けの強度は高く、配管や電子機器の部品など、さまざまなアイテムの接合に取り入れられています。より強度を高くするためには、溶加材の選定や前処理などが重要です。

小池製作所では、強度の高い銅のロウ付け実績が多数あります。金属加工に向き合い続けて60年以上の経験があり、さまざまなアイテムのロウ付けに対応してきました。
専門知識と技術が豊富な社員がどのようなご依頼にも全力でお応えさせていただきます。

「小ロットのアイテムのロウ付けを依頼したい」「複雑な形状の部品を高い強度で接合する必要がある」などのお悩みは、ぜひ小池製作所にお聞かせください。

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