チタンとステンレスはロウ付けできる?難しい理由や作業のポイントを解説

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チタンとステンレスのロウ付けが難しい理由

チタンとステンレスをロウ付けする際には、チタンと鉄が反応して生じる金属間化合物の生成を抑えなければなりません。チタンは化学反応性が高く、ステンレスの主成分である鉄と反応しやすい性質を持っています。

また、熱膨張率の違いにより加熱・冷却時に応力(ひずみ)が発生しやすく、接合部の品質に影響を与えることにも注意が必要です。

チタンとステンレスはどちらも耐食性に優れ、過酷な環境でも使用される金属です。しかし、これらを接合する際には、両者の特性の違いが大きな課題となります。

ここでは、チタンとステンレスのロウ付けが難しい理由をさらに詳しく解説します。

ロウ付けが難しい理由①金属間化合物により接合部分が脆くなる

チタンとステンレスの接合が難しい大きな理由のひとつが、金属間化合物の生成によって接合部分が脆化することです。チタンは高温環境下で鉄と反応しやすい性質を持つため、ステンレスの主成分である鉄と接触すると、硬くて脆い金属間化合物が形成されやすくなります。

この問題への対策として有効なのが、ニッケルめっきなどで中間層を形成することです。チタンとステンレスの間にニッケルの層を設けることで、両者の直接的な反応を抑制し、金属間化合物の生成を防止できます。さらに、ニッケルはロウ材との親和性も高いため、濡れ性の向上にも効果的です。

ロウ付けが難しい理由②チタンの酸化皮膜で濡れ性が悪くなる

接合が難しくなる要因のひとつが、チタン表面に形成される酸化皮膜です。この酸化皮膜は耐食性を高める一方で、ロウ材の濡れ性を著しく低下させます。その結果、ロウ付けの際にロウ材が接合部へ十分に広がらず、不良の原因となるのです。

チタンとステンレスのロウ付けでは、特にチタン側の濡れ性の悪さが接合の品質に大きく影響します。対策として、酸化皮膜の生成や影響を抑えるための環境づくりが欠かせません。

代表的な対策方法として挙げられるのが、真空ロウ付けや接合面の洗浄・表面処理による酸化皮膜の除去や制御です。これらの方法によりロウ材の濡れ性が改善され、チタンとステンレスのロウ付けの品質が安定します。

ロウ付けが難しい理由③ガスを吸収したチタンの性質が変わる

チタンとステンレスの接合が難しいもうひとつの要因が、高温時にガスを吸収しやすいというチタンの性質です。チタンは加熱されると酸素・窒素・水素などのガスを取り込みやすくなり、金属の性質が変化します。特に酸素や窒素の影響で硬化・脆化が進み、延性(破断せずに変形できる性質)が低下することは、ロウ付け後の強度低下や割れの原因のひとつです。

こうした問題を防ぐには、ガスの影響を受けにくい環境でロウ付けをおこなうのが一般的です。具体的には、真空炉を使用して酸素や窒素を排除した状態で加熱する方法や、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気でロウ付けをおこなう方法があります。このようにガスの吸収や酸化・窒化を抑制すれば、安定した品質でチタンとステンレスのロウ付けが可能です。

小池製作所では、難易度の高い異種金属の接合にも対応しています。他社で断られた難しい接合でも、一度お気軽にご相談ください。

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チタンとステンレスをロウ付けする際のポイント

チタンとステンレスの接合は両者の特性の違いから難易度が高く、一般的なロウ付けと同じ条件では安定した品質が得られないケースが多くあります。

しかし、最適なロウ材の選定・専用設備の使用・適切な前処理を組み合わせることで、品質を向上させることが可能です。チタンの高い反応性や酸化の特性、ステンレスとの相互作用を十分に考慮したうえで、適切な工程を設計していきましょう。

ここからは、チタンとステンレスのロウ付けにおける具体的な作業ポイントについて、実務の観点から解説します。

適切なロウ材とフラックスを選ぶ

チタンとステンレスのロウ付けでは、銀ロウやニッケル系のロウ材が使用されることが一般的です。特にニッケル系のロウ材はチタンとステンレスの双方に対して比較的相性が良いため、広く採用されています。

また、チタンは酸化しやすい特性を持つため、通常のロウ付けで用いられるフラックスでは多くの場合、十分な効果が得られません。チタンの酸化皮膜は非常に強固で、一般的なフラックスでは除去しきれません。

そのため、フラックスを使用せずに真空ロウ付けや不活性ガス雰囲気でロウ付けをおこなう方法が主流となっています。チタンとステンレスのロウ付けでは、フラックスに頼るのではなく、雰囲気を適切に制御し、用途に応じてロウ材を選定することが大切です。

適切な加熱装置・設備を使用する

チタンとステンレスのロウ付けにおいて、加熱装置としては、高周波加熱装置と真空炉が代表的です。

高周波加熱は局所的な加熱に適した方法であり、必要な部分だけを効率良く加熱できるため、熱影響を抑えたロウ付けに向いています。一方、真空炉は全体を均一に加熱しながら酸化やガスの吸収を抑制できるため、チタンとステンレスのロウ付けにおいて品質を安定させやすい方法です。

さらに、部材の位置ズレを防ぐための治具や固定具といった設備も欠かせません。加熱中のわずかな動きでも不良につながるため、確実に固定することが大切です。

また、真空装置やアルゴンなどの不活性ガス装置といった雰囲気制御設備により、チタンの酸化やガス吸収を抑えられます。温度管理機器による正確な温度制御も欠かせず、これらの設備を適切に組み合わせることが、チタンとステンレスのロウ付けには大切です。

ニッケルめっきで前処理をおこなう

チタンとステンレスのロウ付けにおける有効な前処理のひとつが、接合面にニッケルめっきを施して中間層を形成する方法です。

チタンとステンレスのロウ付けでは、濡れ性の悪さや金属間化合物の生成によって接合が不安定になりやすいという課題があります。特にチタンは酸化皮膜の影響で濡れ性が低下し、ステンレスと直接接触すると脆い金属間化合物の層が形成されやすいため、事前の対策が必要です。

ニッケルの層を設けることで、チタン表面の濡れ性が改善されてロウ材が均一に広がりやすくなるほか、チタンとステンレスの直接的な接触を防いで金属間化合物の生成を抑制できます。

実際の工程では、脱脂処理や酸洗いによって油分・汚れ・酸化皮膜を除去したうえでニッケルめっきを施し、ロウ付けをおこなう流れが一般的です。

チタンとステンレスをロウ付け以外で接合する方法

チタンとステンレスの接合方法には、ロウ付け以外にも「拡散接合」や「摩擦圧接」があります。

拡散接合は、高温・高圧下で材料同士を密着させ、原子レベルで拡散させて接合する方法です。強度の高い接合が可能なため、気密性や耐熱性が求められる航空や半導体の分野で多く用いられています。ただし、真空環境や高温設備が必要となるため、コストや設備の面で導入の負担は大きいといえるでしょう。

摩擦圧接は、材料同士を摩擦で加熱し、圧力をかけて接合する方法です。溶融を伴わないため金属間化合物の生成を抑えやすく、接合時間が短いという特徴があります。一方、接合できる形状が限定される点に注意が必要です。

ロウ付けは低温で複雑な形状にも対応しやすい反面、高い品質で接合することが難しい場合もあります。用途やコスト、必要な性能を踏まえて、最適な接合方法を選択しましょう。

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チタンとステンレスのロウ付けは小池製作所にご相談ください!

チタンとステンレスのロウ付けは難しい」といわれる理由を解説いたしました。チタンとステンレスのロウ付けは、双方の特性によって生じる問題を適切に制御する必要があるため、専門的な知識や技術、そして設備が必要です。

また、用途や求められる性能によっては、ロウ付けではない接合方法が適しているケースもあるため、まずは最適な方法を見極めることも大切です。

小池製作所では、チタンとステンレスの接合をはじめとする異種金属接合に対応しており、用途やご要望に応じた最適な加工方法をご提案しています。チタンとステンレスといった難易度の高い接合をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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