ステンレスと鉄の異種金属の溶接の難易度が高い理由と作業の注意点

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ステンレスと鉄の異種金属溶接は可能

異種金属であるステンレスと鉄の溶接は、正しい知識と技術があれば可能です。ただし、それぞれの金属が持つ熱的・機械的性質が異なるため、接合には高度なノウハウが必要です。

ステンレスは耐食性や耐熱性などに優れている、鉄は強度が高く加工しやすいといった特性がありますが、それぞれに異なる膨張率や熱伝導性を持っています。そのため、接合時の温度差によって接合部に割れや歪みが生じやすくなります。

また、ステンレスと鉄を接合する際には、両者の界面で金属組織が不安定になりやすく、強度の低下や腐食のリスクも無視できません。ステンレスと鉄のような異種金属の溶接では、適切な方法や材料の選定が非常に重要です。

小池製作所では、異種金属であるステンレスと鉄の溶接に対応しています。溶接の資格を所有するスタッフが、ご期待に沿える品質で納品いたします。国際規格であるISO 9001認証を取得した、小池製作所の安心・安定のサービスをぜひご利用ください。

ステンレスと鉄の異種金属溶接が難しい理由

異種金属の溶接は多くの現場で課題となる技術ですが、とくにステンレスと鉄の異種金属溶接は、実現可能である一方で、実務では非常に難易度が高い作業です。

その理由は、両者の物理的・化学的特性に大きな違いがあるためです。たとえば、熱膨張率の違いや腐食特性などが異なることで、接合時やその後の使用環境で様々なトラブルが発生しやすくなります。

また、異種金属の接合作業では、とくに高温環境や湿度の高い環境下で割れや腐食のリスクが増加します。

どのような点からステンレスと鉄の異種金属溶接が難しいとされているのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

熱膨張率の違いにより割れやすい

ステンレスの熱膨張率は鉄に比べて高いです。ステンレスと鉄の異種金属溶接において、とくに注意すべき点のひとつがこの熱膨張率の違いによる割れです。

ステンレスと鉄の熱膨張率の違いにより、溶接中や冷却時に金属同士の変形量に差が生じ、接合部に大きな応力がかかることになります。この応力が原因で、溶接作業中や作業直後に割れが発生することがあります。とくに厚みのある材料や熱入力の大きい工程では、この影響が顕著になりやすいでしょう。

異種金属の接合工程では、こうした膨張差による割れを防ぐために、溶接条件の調整や拘束具の工夫、適切な順序の設計が大切です。

ステンレスは耐食性があり、鉄は腐食しやすい

異種金属であるステンレスと鉄は、腐食特性に大きな違いがあります。

ステンレスはクロムを含むことで表面に不動態皮膜を形成するため、耐食性が高いのが特徴です。

一方、鉄は酸素や水分にさらされると容易に酸化し、錆びやすくなります。このため、接合後の接合部で片方が錆びやすく、もう片方が錆びにくいという不均衡な状態が生じてしまうかもしれません。

とくに屋外や湿度の高い場所、薬品にさらされる環境では、この腐食性の違いが製品寿命に大きな影響を与えます。

異種金属の組み合わせを扱う際には、使用環境を十分に想定し、防錆処理やコーティング、排水設計などの追加対策も考慮することが重要です。

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ステンレスと鉄の異種金属溶接の注意点

ステンレスと鉄の異種金属溶接では、単なる接合以上に多くの注意点があります。

ステンレスと鉄の接合作業においては、使用する溶接棒の選定、熱管理、母材への影響の抑制など、作業のあらゆる段階で細心の配慮が必要です。

とくに、溶接棒については成分希釈による耐食性の低下を最小限に抑えるための選定が大切です。また、鉄側の過度な溶け込みを防いで高温割れを抑制する工夫も求められます。

さらに、過剰な入熱や急冷による熱応力の集中を防ぎ、精度の高い仕上がりを実現するための熱制御も欠かせません。

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。

ステンレスの成分が希釈されにくい溶接棒を使用する

ステンレスと鉄の異種金属溶接においては、使用する溶接棒の選定が非常に重要です。

とくに注意すべきは、鉄側の母材が溶け込みすぎることで、溶接部におけるステンレス由来の成分が薄まり、耐食性や機械的性質が低下する希釈の影響です。希釈が進むと、接合部の耐食性が低下し、本来ステンレスが持つ防錆性能が十分に発揮されなくなります。

そのため、異種金属の接合では、鉄からの希釈による成分変化を見越して、ニッケルを多く含むオーステナイト系溶接棒など、適正な化学組成を有する材料を使用することが大切です。

母材との相性や溶接条件に応じた溶接棒選びにより、接合部の耐久性と信頼性を向上させられるでしょう。

鉄の溶け込みを抑えて高温割れを防ぐ

ステンレスと鉄の異種金属溶接では、鉄側の母材が過剰に溶け込むことで発生する希釈の制御が重要です。

鉄の成分が溶接部に多く混ざると、耐食性や靱性が低下し、割れが生じやすくなります。これを防ぐためには、熱源の位置や移動方向を調整して熱の集中を避け、鉄母材の溶融を最小限に抑える工夫が必要です。

また、溶接速度や電流設定を適切に管理すれば、入熱量を抑えつつ均一な溶け込みを実現できます。

さらに、母材に予熱や後熱処理を加えることで、接合後の急激な温度変化による熱応力の集中を緩和でき、割れのリスクを軽減できます。

過剰な入熱、急冷を避けて溶接の精度を高める

ステンレスと鉄の異種金属溶接では、入熱量や冷却速度の管理が接合部の品質に大きく影響します。過剰な入熱は、金属の組織が粗くなり、強度の低下やひずみの原因となります。

一方、溶接後に接合部を急激に冷やすと、その際に内部応力が蓄積しやすく、溶接部に割れが発生するリスクが高まるでしょう。これを防ぐには、冷却速度を必要以上に早めず、自然冷却できるような環境や工程を整えることが大切です。

溶接方法としては、短時間で熱を集中させにくいパルス溶接や、数回に分けてビードを薄く重ねる多層溶接などを用いて局所的な加熱を抑える工夫も必要です。

ステンレスと鉄などの異種金属の溶接は小池製作所にお任せ!

ステンレスと鉄は異種金属であり、溶接には高い技術と豊富な知識、適切な用具などが求められます。

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