異種金属のろう付けは難しい?難易度やメリットを解説

ろう付け 異種金属 銅の絞り製品の画像

異種金属のろう付けの難易度は高い!その理由を解説

異種金属のろう付けは、熱伝導率や膨張係数、表面の酸化特性などが異なるため、非常に高度な技術が求められます。

たとえば、銅は熱伝導率が高く、加熱すると周囲に熱が拡散しやすい一方で、ステンレスは熱伝導率が低いため、加熱ムラが生じやすく、均一な加熱が難しくなります。このように、異なる性質を持つ金属同士を接合する際は、適切な加熱制御や材料の選定が必要です。

また、金属ごとに酸化の進行度や表面処理の方法が異なるため、前処理やフラックスの選定にも専門的な知識が必要です。

こうした複雑な条件をクリアするには、異種金属のろう付けに特化した豊富な経験と高い技術力を持つ業者の存在が欠かせません。

異種金属の素材はろう付けできない?

異種金属のろう付けは多くの組み合わせで可能ですが、すべての素材が対応できるわけではありません。

たとえば、アルミニウムとチタンのように、表面の酸化被膜が非常に安定しており除去が難しい素材同士では、ろう材が濡れにくく、また接合不良が起こりやすく、実用的なろう付けが困難になるケースがあります。

ろう付けに使用するろう材が特定の金属と反応してしまい、十分な接合強度を得られない場合もあります。

したがって、異種金属のろう付けを検討する際は、素材の組み合わせやその特性を十分に理解し、実績のある業者に相談することが大切です。

異種金属にろう付けをおこなうメリット

異種金属のろう付けには、他の接合方法では得られない多くのメリットがあります。

大きなメリットの一つは、溶接では難しい組み合わせでも接合が可能になる点です。たとえば、銅とステンレスのように性質が大きく異なる金属同士でも、適切なろう材と加熱条件を用いることで、安定した接合が実現できます。

また、ろう付けでは母材を溶かすことなく、ろう材のみを溶かして接合するため、熱による変形や金属組織の変化を最小限に抑えられる点もメリットです。精密部品や熱に弱い素材でも、高精度な接合が可能となります。

それぞれのメリットを、詳しく見ていきましょう。

異種金属でも高強度な接合が可能

異種金属は、熱膨張率や融点、表面性状などが大きく異なるため、一般的な溶接では強固に接合するのが難しい組み合わせです。

しかし、ろう付けを活用すれば、使用条件に応じた十分な接合強度が得られる場合があります。ろう材が隙間に毛細管現象で均一に入り込み、接合面が広く確保され、機械的に安定した接合を実現することが可能です。

また、ろう付けは接合時の加熱温度が比較的低いため、素材に与える熱影響が抑えられ、素材の物性変化や脆化のリスクも軽減されます。この特性により、精密部品や寸法精度が重要な製品でも、損傷や寸法の変化を最小限に抑えて、安定した接合が可能です。

異種金属の接合において、ろう付けは信頼性と実用性を兼ね備えた有効な接合方法です。

母材を溶かさず接合できる

ろう付けの大きな特徴のひとつが、母材を溶かさずに異種金属を接合できる点です。これは、ろう材のみを加熱して溶かし、毛細管現象によって接合面に浸透させるという仕組みによるものです。

そのため、母材自体の寸法や形状に与える熱影響を最小限に抑えられます。たとえば、精度が求められる接合部では、母材を溶かす溶接ではなく、ろう付けが適しているケースも多くあります。

さらに、母材の損傷を最小限に抑えて接合できるため、後加工や研磨の手間も削減でき、生産性の向上にもつながります。異種金属の特性を活かしたまま接合できるろう付けは、条件にはよるものの、比較的設計自由度の高い接合方法です。

異種金属へのろう付けの接合事例

異種金属のろう付けは、組み合わせる金属によって難易度や必要な工夫が異なります。たとえば、アルミとステンレスのように性質の異なる金属同士は、熱伝導率、熱膨張率、酸化被膜の違いから接合が難しくなります。

一方、真鍮と銅といった比較的似た性質を持つ金属同士では、適切な条件を整えることで比較的スムーズな接合が可能です。ろう付けを成功させるには、素材ごとの特性を理解し、それに応じたろう材やフラックス、加熱方法を選定することも大切です。

異種金属のろう付けの接合事例を、詳しく見てみましょう。

小池製作所では、銅と真鍮など、異種金属のろう付けの実績が多数あります。製作事例ページでは過去の事例やこだわった点などを詳しく解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。

小池製作所の製作事例はこちら>

アルミとステンレスのろう付け

アルミとステンレスのろう付けは、異種金属の中でもとくに難易度が高い組み合わせです。

アルミはステンレスに比べて融点が低く、熱伝導率が非常に高いため、加熱中に熱が広がりやすく、狙った接合温度を維持するのが難しくなります。一方で、ステンレスは酸化しやすく、表面に酸化被膜が形成されるとろう材の濡れが悪くなり、接合不良の原因となります。

この組み合わせをろう付けするには、アルミ用の特殊なろう材やフラックスを使用し、酸化膜の除去や予熱などの前処理を丁寧におこなう必要があります。

さらに、使用環境によっては接合部の電食にも注意が必要です。適切な処理と知見があれば、難しい組み合わせでも確実な接合ができるでしょう。

真鍮と銅のろう付け

真鍮と銅のろう付けは、両者とも熱伝導率が高く、ろう付けに適した物理的特性を持っています。

加熱が均一におこないやすく、ろう材の流れもスムーズです。とくに銅は濡れ性が良く、ろう材がしっかりと広がるため、高い接合強度を得やすいです。

ただし、真鍮は亜鉛を含む合金であるため、過熱すると亜鉛が蒸発しやすく、亜鉛抜けによって表面の性質が変わるリスクがあります。このため、過度な加熱を避け、適切な温度管理が重要になります。

適切な手順と温度管理を守れば、真鍮と銅の異種金属ろう付けは、精密機器や配管部品などで安定した性能と高い信頼性を実現することが可能です。

ろう付け 異種金属 小池製作所の画像

異種金属のろう付けにお困りなら小池製作所へご相談ください

異種金属のろう付けは、金属同士の特性の違いから接合作業が難しい場合も多いです。ただし、金属同士の相性が良く、適切な管理と手順、処理をおこなえば、異種金属であってもろう付けが可能なケースもあります。

小池製作所では、金属加工に携わり続けて60年以上の実績があり、多くの異種金属のろう付けに対応してきました。小ロットの依頼をしたい、長く継続してお願いできる業者を探しているなどのお悩みがありましたら、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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