ロウ付け不良の原因と対策を解説!製品の品質向上を目指すために

ロウ付け不良の原因はさまざま
ロウ付け不良とひとことでいっても、その現象は多岐にわたり、それぞれ異なる原因が潜んでいます。不良が発生する原因としては作業環境の不備、母材側の状態、接合材やフラックスの選定ミス、加熱条件の問題などが代表的です。
まず作業環境の問題を具体的に挙げると、作業エリアの温度や湿度が適切でないために部品が結露したり錆びたりする、あるいは研磨で生じた粉塵や衣類の繊維といった異物が混入するなどです。
次に母材側の問題として、油脂の残留や、表面の酸化が挙げられます。ほかには母材そのものの熱容量が適切でないことが原因で、不良が発生することも少なくありません。
さらに母材と接合材およびフラックスの相性が悪いと、毛細管現象が正常に働かずにロウ回りが悪くなります。それだけでなく、接合材と母材が高温で過度に反応してしまい、ロウ付け不良に陥るケースにも注意が必要です。
また加熱時の温度や保持時間が適切でないと、ロウ回りが不足したり金属同士が過度に反応したりすることもあります。
ロウ付け不良で生じる現象
ロウ付け不良で生じる代表的な現象は、ロウ回りの不足によって接合材が途切れたり部分的に欠けたりする状態や、母材が露出したままになる症状が挙げられます。さらには接合材が不要な部分に流出して広がったり、ダマになって固まったりすることもよくみられる現象です。
加熱時に発生したガスが残留して内部が空洞となるボイドは、外観から判別しづらく注意が必要です。またガスの残留のほか、異物の混入によりピンホールというごく小さい穴やざらつきが表面に発生する不良もあります。そしてフィレットが形成されない、断続的に途切れる、あるいは左右が非対称になるといった不良は、美観だけでなく機能性にも影響します。
母材側に起こる不良として、細かい亀裂や破断に近い割れが発生するほか、付着した薬剤などが原因で母材が腐食することもあり、いずれも早急に解決すべき問題です。また金属同士が過度に反応して食われ(エロージョン)が発生し、母材が溶け落ちるといった不良もあります。

ロウ付け不良の原因と対策方法
ロウ付け不良が発生した際は、生じている現象から原因を正確に特定して、適切に対策を講じることが重要です。
まずは、ロウ付け不良によって発生している現象を的確に見極めましょう。そしてその現象から考えられる原因を挙げ、一つひとつ切り分けて問題を解決していきましょう。
不良が発生する原因を理解することで、作業環境の改善や材料選定の見直しをおこなったり、工程を再検討したりでき、より一層の品質向上を目指すことが可能です。
ここからは、ロウ付け不良の具体的な状態とその原因、さらに有効な対策について解説します。
小池製作所では、これまでの豊富な実績をもとに、製品や素材の特性に合ったロウ付け方法を提案、実施いたします。ロウ付けの不良率を抑えたい事業者様は、一度小池製作所にお問い合わせください。
隙間が満たしきれない「ロウ回り不足」
ロウ回り不足は、設定された隙間が狭すぎることによって毛細管現象が働かない、逆に隙間が広すぎることで毛細管現象の効果が低下して隙間が満たされなくなるといった不良のことです。設計段階で隙間の寸法設定に問題があることや接合材の不足がおもな不良の原因として挙げられます。
この不良を解決するには、ロウが確実に流れる条件を整えることが大切です。具体的には、隙間を適正に設定する、接合材の量を適切に確保する、フラックスの塗布状態を確認して均一に処理するなどの対策があります。
不要な部分へはみ出す「ロウの流出」
ロウを過度に加熱することでロウの流動性が必要以上に高くなり、不要な部分にまでロウがいきわたってしまうという不良です。
ロウの流出はおもに、ロウ付けの温度が高すぎることやロウ付けの時間が長すぎること、さらにロウの量が多いことが原因となって発生します。
ロウ付けをおこなう際の温度やロウ材の量を見直すこと、加熱を局所的におこなうこと、ロウ流れ防止剤を使用することなどが不良対策として有効です。
また、場合によっては隙間の設計が適正かどうかを見直す必要もあります。
穴や空洞が生じる「ボイド」や「ピンホール」
異物やガスの混入によって穴や空洞が生じている状態です。表面に油分や酸化被膜が残留していると、発生したガスが逃げられずに空洞ができ、外観は良く見えても内部に欠陥が生じる危険性があります。
ボイドやピンホールの発生はおもに、母材の前処理が十分でないことやフラックスの選定が適正でないことが原因です。ほかにも加熱温度の不備、ガスの発生や異物の混入などでも発生します。
脱脂や洗浄などの前処理を徹底し、適切なフラックスを選定することがおもな対策方法であるほか、作業環境を整えて異物の混入を防ぐことも重要なポイントです。
漏れの原因になる「フィレット形成不良」
フィレットの形成不良は、接合材が接合部の端まで十分に流れていない状態であり、外観の不良だけでなく強度不足にも直結します。
接合材やフラックスの量が不足していること、ロウ付け作業時の温度が低いこと、ロウ付けの作業時間が短すぎることなどがおもな原因です。
対策としては、接合材とフラックスの量を適正に確保すること、温度条件を見直すこと、必要な加熱時間を適切に確保することが挙げられ、これらを満たすことで安定したフィレット形状を実現できます。
ロウ付け部分、母材の「割れ」や「腐食」
ロウ付け部分に割れや腐食が起こる原因はさまざまです。割れはおもにロウ付け直後の急加熱や急冷、振動や外力などによって起こるほか、接合材と母材の膨張係数や弾性的性質の違いによっても発生します。
さらに腐食は、フラックス残渣の洗浄不足や電解腐食によって発生するほか、さまざまな環境要因によっても引き起こされます。
急加熱や急冷を避けること、接合材と母材の組み合わせを見直すこと、そして洗浄工程の強化や保管環境の見直しによって、対策が可能です。
ロウと母材の合金化による「食われ(エロージョン)」
食われ(エロージョン)は、接合材と母材が高温で過度に反応することによって母材の一部が溶け込むことで、材料の強度が低下する現象です。
温度が高すぎることや加熱時間が長すぎることで発生しやすくなり、結合部の寿命を縮めるだけでなく、美観が損なわれるおそれもあります。
接合材と母材の組み合わせを慎重に選定する、温度や保持時間を厳密に管理する、そして必要以上に高温にしないために加工条件の見直しをおこなうなどが対策として効果的です。

小池製作所なら多品種の高品質なロウ付けが可能です!
ロウ付け不良を防ぐためには、適切な温度管理や厳密に管理された作業環境が欠かせません。そのため、豊富な知識と技術、優れた設備を備えた企業に依頼することが得策です。
小池製作所では、1957年の創業以来、65年以上金属加工と向き合う中で培ってきた経験と実績に裏付けされた技術で、多材質・多品種なロウ付けに対応しています。
複雑な形状の製品や特殊な条件のロウ付けにも対応可能です。ロウ付け作業だけでなく、図面の製作や試作なども柔軟に対応しておりますので、ロウ付けでお困りの際は下記のフォームからぜひ小池製作所へご相談ください。
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