ろう付けによる配管の方法や道具を解説!銅管の作業ポイントも紹介

ろう付けによる配管施工の手順
配管のろう付けは、前処理・組み立て、ろう付け・仕上げの三つの工程で構成されるのが一般的です。配管には高い気密性や耐圧性が求められるため、各工程の作業精度が接合部の品質や耐久性を大きく左右します。
まず前処理で母材表面を整え、加熱によって毛細管現象を活用しながらろう材を隙間へ浸透させてしっかり接合し、仕上げに残留物の除去と検査をおこなうのが基本的な流れです。ここからは、それぞれの手順についてくわしく解説します。
配管のろう付けの品質を左右する前処理・組み立て
配管のろう付けにおいて、前処理と組み立ては仕上がりの品質を決定づける工程です。
まず寸法を正確に測定し、パイプカッターで切断したのち、切断面に生じたバリや変形を丁寧に除去します。この除去作業が不十分だと適正なクリアランス(隙間)が確保できず、毛細管現象が十分に働きません。
次に、接合面を研磨して酸化被膜や汚れを除去し、脱脂をおこないます。さらに母材によっては、フラックスを接合部に塗布することも多いです。フラックスは加熱時の酸化を防ぎ、ろう材の濡れ性を高める役割を担います。
前処理を終えたら、配管と継手を仮組みする工程です。接合部のクリアランスを規定内に調整し、仮組みをおこないます。このクリアランスの管理は、ろう材の浸透性を左右するため、慎重に進めることが大切です。
配管のろう付けは加熱のバランスが重要
前処理と仮組みが完了したら、ガストーチを用いて母材を加熱し、ろう材を流し込む工程に入ります。
配管材として広く用いられている銅管は、熱伝導率が非常に高い素材です。トーチの炎を一箇所に集中させると局所的な過熱(オーバーヒート)を招き、母材の変形や劣化につながります。トーチの炎は接合部全体に均一にあて、配管と継手の双方が適切な温度に達するよう調整することが大切です。
母材が適正温度に達したら、ろう材を接合部にあてます。このとき、溶融したろう材がクリアランス内へ吸い込まれ、内部へ広がっていく作用が毛細管現象です。ろう材が継手全周および内部まで確実に行き渡っていることを目視で確認します。
銀ろうやリン銅ろうなど、使用するろう材の融点に応じた温度管理も品質を左右する要素の一つです。配管のろう付けでは加熱の過不足が接合不良に直結するため、経験豊富な技術者による施工が欠かせません。
配管のろう付けの耐久性を高める仕上げ
仕上げの最初の工程は、接合部の自然冷却です。
冷却後は、接合部周辺に残った余分なろうやフラックスを丁寧に除去します。とくにフラックスの残渣は、長期間放置すると配管の腐食を引き起こす要因となるため注意が必要です。銅管では、フラックスの残渣が蟻の巣状の腐食の原因となる場合があります。耐久性を維持するためにも、確実に除去しましょう。
最後に、ろうの回り具合や表面のひび割れの有無を目視で確認するとともに、規定の圧力をかけて気密試験を実施します。仕上げの工程を徹底することが、長期的な信頼性の確保につながります。
小池製作所では、前処理から仕上げまで、丁寧な配管のろう付けが可能です。高精度な仕上がりが求められる配管の接合は、弊社にお問い合わせください。
配管のろう付けに必要な道具
配管のろう付けを適切におこなうには、各工程に応じた専用の道具をそろえる必要があります。
道具の選定を誤ると作業効率が低下するだけでなく、漏れや強度不足といった品質上の問題を招きかねません。とりわけ配管のろう付けでは、高い気密性と耐圧性が求められるため、適切な道具を選定するには専門的な知識が必要です。
また、前処理・組み立てで使う道具と、ろう付け・仕上げで使う道具は異なります。各道具の特性を理解したうえで、適切な道具を選ぶことが大切です。以下では工程別に必要な道具を紹介します。
配管のろう付けの前処理・組み立てに必要な道具
配管のろう付けの前処理と組み立てに必要な主な道具は、次のとおりです。
- パイプカッター
- バリ取り・面取り工具
- ブラシ・サンドペーパー
- フラックス
- バイス・クランプ
パイプカッターは、配管を所定の長さに切断するための工具です。のこぎりによる切断では切粉が混入したり断面がゆがんだりしやすいため、配管のろう付けにはパイプカッターの使用が推奨されます。
切断後の断面処理には、バリ取り工具や面取り工具を使用するのが一般的です。バリや角が残っていると、ろう材の流れを妨げる原因になりかねません。
接合面の酸化被膜や油脂を取り除くには、真鍮ブラシやサンドペーパーが有効です。研磨後は清浄な状態を保つために、素手で触れないよう注意して使用しましょう。
さらにフラックスを塗布して加熱時に金属が酸化することを防ぎ、ろう材の濡れ性を高めます。
仮組みの際に配管を固定するバイスやクランプも、欠かせない道具のひとつです。接合部のクリアランスを適正に維持しつつ固定し、ろう付け工程に移ります。
配管のろう付け・仕上げに必要な道具
配管のろう付けと仕上げに必要な道具は、次のとおりです。
- ガストーチ
- ろう材
- 防護服
- 換気装置
- ナイフ・やすり
ろう付けの中心となる道具が、ガストーチです。使用する燃料ガスや加熱方式には、さまざまな種類があります。酸素・アセチレン式やプロパン式など、配管の材質や径に応じて適切なタイプを選びましょう。
ろう材は、リン銅ろうや銀ろうが代表的です。銅管同士の接合にはリン銅ろうが多く用いられ、異種金属の接合には銀ろうが適しています。リン銅ろうで銅管同士を接合する場合は、フラックスを使わずに接合が可能です。
安全面に配慮し、耐熱手袋や保護メガネといった防護具に加えて、十分な換気を確保できる装置も準備しましょう。ろう付けの際に発生する粉塵やヒューム(煙状の微粒子)は健康被害を招くおそれがあります。
仕上げ工程で使用するのは、余分なろうやフラックスを除去するためのナイフ、やすり、ワイヤーブラシなどです。配管のろう付けでは、接合後の清掃道具も品質維持のための重要な役割を担っています。

配管のろう付け作業のポイントと注意点
板金や部品同士を接合する場合のろう付けと比較して、配管のろう付けには特有の難しさがあります。
まず、一連の作業をとおして、配管内部の状態を確認することが欠かせません。外観上は問題なく見えても、管の内側にろうが垂れ込んでいたり、酸化スケールやフラックスの残渣が付着していたりすることがあります。とりわけ冷媒配管では、窒素置換(窒素ブロー)をおこないながらろう付けを実施し、管内の酸化を防ぐ措置が必要です。
また、配管のろう付けでは、わずかな接合不良でも冷媒やガスの漏えいにつながるため、施工後の気密試験や耐圧試験も品質保証の重要ポイントとなります。
さらに、配管のろう付けは建設現場や既設設備での施工が多く、作業環境が一定ではありません。狭い空間や高所といった現場特有の制約のもと、安定した品質を実現するには、作業者の技量と経験が問われます。
こうした理由から、配管のろう付けは熟練した技術者への依頼が望ましいといえるでしょう。
銅配管をろう付けする際の注意点
空調配管では、耐食性・加工性・熱伝導性に優れた銅管を母材として用いるのが主流です。銅管はろう付けに適した母材である一方で、他の母材と比較して注意すべきいくつかの特性があります。
まず、銅は加熱しすぎると母材が過度に軟化し、強度の低下を招くおそれがある点です。そのため炎を一箇所に集中させず、接合部全体を均一に加熱する必要があります。
また、銅はやわらかいため変形しやすく、真円度が損なわれると適正なクリアランスが確保できません。前処理や仮組みの際にも、寸法確認を徹底することが大切です。
さらに、加熱によって酸化被膜が形成されやすいため、研磨や脱脂、必要に応じたフラックス塗布も欠かせません。
空調配管は径管が細いものが多く、温度上昇が早いため、慎重な温度管理が求められます。ろう付け後は急冷を避け、自然冷却を基本とすることも大切です。
このように銅管の特性を理解し、適切に管理したうえでろう付けをおこなうことが、製品の耐久性や信頼性の向上につながります。

配管のろう付けは実績豊富な小池製作所にご相談ください
配管のろう付けは、専門的な知識と高度な技術、そして経験に裏付けられた判断力や対応力が求められます。そのため、配管のろう付けは専門の企業に依頼することが施工品質を確保するうえで非常に重要です。
小池製作所では、建築や改修の現場での銅管のろう付けはもちろん、多種多様な母材への対応が可能です。状況に応じた最適な工法をご提案し、施工まで一貫してサポートいたします。
配管のろう付けに関するご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
【お問い合わせ】
電話 03-3731-9953(8:30~17:00 ※土日祝を除く)
お問い合わせフォーム



