超硬のロウ付け方法を解説!溶接との違いや製作時の注意点は?

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超硬のロウ付け方法をステップごとに解説

超硬のロウ付けは、工具や金型などを製造する際によく用いられる接合方法です。安全かつ精度良く接合するために、一般的には以下のような手順で進められます。

  1. 表面処理・組み立て
  2. 加熱・ロウ付け
  3. 冷却・後処理

超硬合金は非常に硬い一方、脆くもあるため、一般的な材料のロウ付けよりも慎重に作業をおこなう必要があります。各工程には、それぞれ注意点があり、手順を適切に守らないと接合強度の低下や接合不良が発生するおそれがあります。

以下で、各工程のポイントと注意点を詳しく見ていきましょう。

超硬のロウ付け方法①表面処理・組み立て

超硬のロウ付け方法で最初におこなう工程は、母材の表面処理と組み立てです。

母材の接合面に油分や汚れ、酸化被膜が残っていると、ロウ材の広がりが悪くなり、ロウ付けが正しくできなかったり、強度が下がったりしてしまいます。そのため、事前にしっかりと除去しておくことが大切です。

油分や酸化被膜などの除去後は、ロウ付けをする母材を組み立てて、ロウ材を挟み込んで固定します。治具などを使用し、正しい位置にしっかり固定して、その後の作業をおこないやすくしましょう。

超硬のロウ付け方法②加熱・ロウ付け

超硬の表面を適切に処理し、ロウ材を挟んで正しい位置に固定したら、次は加熱する工程に進みます。加熱にはガスバーナー、誘導加熱、真空炉などの方法がありますが、どの方法でも共通して重要なのは、超硬とロウ材をできる限り均一に加熱することです。

ロウ材が加熱され溶融すると、毛細管現象によって接合部のすき間へ吸い込まれるように流れ込みます。このとき、加熱不足や加熱ムラがあると、ロウ材が均一に流れず、空隙や濡れ不足が生じて接合強度が低下する原因となってしまいます。

温度管理を徹底しながら、ロウ材が適切に流れ込んでいるかを確認して作業を進めましょう。

超硬のロウ付け方法③冷却・後処理

超硬とロウ材を加熱し、ロウ材が適切に濡れ広がったら、次は冷却のステップに進みます。

超硬合金は硬度がある一方脆い性質を持つため、急激な温度低下によって亀裂(クラック)が入らないよう、ゆっくりと自然冷却させることが大切です。

冷却後は、後処理をして仕上げていきます。酸化防止のためにフラックスを塗布していた場合は残留したフラックスを除去、ロウの残渣が残っている場合はこちらも除去しましょう。除去の方法は、薬品による洗浄や研磨などがあります。

後処理方法が不十分だと、外観の不良や腐食の原因となり、品質不良につながります。確実な後処理をおこなうことで、製品寿命や信頼性を向上させられるでしょう。

超硬の基本的なロウ付け方法は、ほかの素材での方法と大きな違いはありません。ですが、素材特有の性質を理解していなければ、失敗してしまう可能性もあります。

超硬のロウ付けをはじめ、難易度の高い金属接合でお困りの事業者様は、金属加工のプロ集団である小池製作所にご相談ください。

超硬 ロウ付け 方法 ろう付け作業風景の画像

超硬のロウ付け方法を実践する際の注意点

超硬のロウ付けは、正しい方法を理解するだけでなく、以下のような注意点を意識することも大切です。

  • 急熱・急冷を避ける
  • ロウ材の量と流れを均一に保つ

正確な方法で作業を実施していても、少しの温度制御や作業のミスが割れや接合不良の原因となることもあります。

事前に超硬のロウ付け作業の際に意識すべき点を抑えておけば、不良の発生リスクを抑えつつ、高い強度と品質の接合を実現できるでしょう。
以下では、超硬のロウ付け方法とあわせて知っておきたい注意点を解説します。

急熱・急冷を避ける

超硬合金は硬度が高い反面、靱性が低いため、ロウ付けなどの急激な温度変化で割れや欠けが発生しやすいというデメリットがあります。

ロウ付け作業では加熱と冷却が必須ですが、こうした急激な温度変化の過程で、母材は膨張・収縮を繰り返します。すると母材の表面と内部で温度差が急速に広がり、応力が集中して割れなどの不具合が発生する原因となるのです。そのため、加熱は徐々におこない、冷却も自然にゆっくり進め、母材の表面と内部の温度差をできるだけ小さく保つことが大切です。

ロウ材の量と流れを均一に保つ

ロウ材の量と流れを均一に保つことも、超硬のロウ付けにおいて注意すべきポイントです。

ロウ材が少なすぎると、接合面に十分に濡れ広がらず、密着性が不十分となり接合強度が低下します。一方、ロウ材が多すぎると、加熱中にロウ材や接合面に気泡が発生し、接合部分の強度を局所的に低下させ、耐久性の低下や割れが発生することもあります。

また、接合面のすき間が広すぎるとロウ材が流れすぎ、狭すぎると十分に流れ込みません。接合面に適度な量のロウ材を均一に流し込むためには、母材間のすき間を適切な広さにすることも大切です。

超硬の接合方法におけるロウ付けと溶接との違い

超硬の接合方法であるロウ付けと溶接では、強度や難易度に違いがあります。

ロウ付けは、母材よりも融点の低いロウ材を使って二つ以上の母材を接合する方法であり、超硬合金でも対応可能です。

一方、溶接は、母材同士を直接溶かして一体化する接合方法です。しっかりと溶融させられれば、ロウ付けよりも高い接合強度を発揮できます。

ただし、超硬合金は脆く割れやすいため、高温での作業が必要な溶接は非常に難しいです。そのため、比較的熱の影響が小さいロウ付けのほうが、超硬の接合方法として適しているといえるでしょう。なお、ロウ付けでも精密な温度管理が必要で、作業は決して容易ではありません。

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小池製作所は超硬のロウ付けのご依頼に対応しています

超硬は非常に硬く、切削工具や金型などの工業製品に用いられることも多い金属です。硬度が高い一方で、急激な温度変化で脆くなってしまう可能性もあります。そのため、ロウ付けなどをおこなう際は、正しい方法を理解するだけでなく、ロウ付けにおける技術と経験も求められます。

小池製作所は、60年以上にわたり多数の金属のロウ付けに対応してきた実績がある加工会社です。高い技術力が必要となる超硬合金の接合においても、経験豊富なプロが高精度に仕上げさせていただきます。

脆い、変形しやすいなど、ロウ付けが難しい金属の接合は、ぜひ一度小池製作所へお問い合わせください。

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