アルミの溶接が難しい5つの理由とは?適した方法や問題点についてわかりやすく解説します

アルミの溶接が難しい・できないといわれる5つの理由と問題点
アルミは溶接による接合が難しい材料であるため、溶接ができないのではないかと不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際にアルミの溶接は難しく、加工が必要になっても対応できる会社が限られています。
ただ、小池製作所では難しいアルミの溶接に対応しております。近年製品や部品の軽量化が進んでいるため、アルミは様々な分野で注目されており、アルミの溶接のご依頼をいただくことが多いです。もしアルミの溶接が必要で加工会社をお探しでしたら、弊社までお問い合わせください。

では、なぜアルミはあらゆる金属の中でもそこまで溶接が難しい・できないといわれているのでしょうか。その理由を、わかりやすいように3つにまとめました。
| 難しいポイント | 難しい理由 |
|---|---|
| アルミの融点 | アルミの融点が低いため、入熱管理が難しい |
| 熱伝導率 | 熱が伝わりやすいため熱の制御が難しい |
| 酸化皮膜 | 加熱時に不良につながる酸化皮膜が生成される |
| ブローホール | 溶接割れにつながる空洞ができやすい |
| 熱により均一な溶接が困難 | 熱の伝わりやすさにより歪みが生じやすい |
アルミの溶接が難しい理由①アルミの融点
アルミの溶接が難しい大きな理由は、融点にあります。アルミは融点が約660℃と低いため、熱によって溶けるのが早い金属です。融点とは、固体が液体に変わる温度のことを指します。
融点が低いという性質は、液体にした材料を目的の形状に固める鋳造においてとても加工しやすいのですが、溶接においては難易度を上げてしまう要因となります。
そのため、入熱温度が高ければ高いほど影響を受けやすくなり、熱により母材が溶け落ちてしまいます。したがって、アルミの溶接をする際には、入熱管理を行い、母材が溶けるのを防がなければならないため難しいのです。
アルミの溶接が難しい理由②熱伝導率
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す言葉です。熱伝導率が高ければ早く熱が伝わるため大きなものでも加工しやすいのですが、アルミは融点が低いく熱伝導率が高いという2つの性質を持つため、熱の制御が難しいのです。そのような性質を持つ母材を溶かして接合することから、溶接が難しいといわれています。
しかし、熱が伝わりやすいということは冷えるときも急速であるため、アルミはこの性質を活かして、ヒートシンクなどの放熱部品の素材としても活用されます。なお、ヒートシンクなどの部品製作の際も、溶接が必要となる場合があります。
アルミの溶接が難しい理由③酸化被膜
アルミは、酸素と結合すると表面に酸化被膜が形成されます。場合によっては、この酸化被膜を生成する処理をすることで、腐食を防ぐこともありますが、溶接の場合は母材に形成されるこの酸化被膜が邪魔になってしまいます。なぜなら、加熱時に融点が高い酸化被膜が生成されるからです。
アルミの融点よりも高い酸化皮膜は溶接性を低下させてしまい、強度の低下や溶接不良につながってしまうため、事前に除去するなどの対策を講じる必要があります。
アルミの溶接が難しい理由④ブローホール
先述した酸化被膜はブローホールを生じさせる原因にもなります。アルミの酸化被膜には、結晶水や大気中の水分が含まれ、溶融された金属の中に水素が残留しやすくなります。水素が残留した状態で急速に冷え固まると、小さな空洞、つまりブローホールが生じることがあるのです。これがあることにより、溶接割れを引き起こします。
酸化皮膜のほかにも、ガスがとどまってしまうことが原因で生じるケースもあります。ブローホールが生じないようにするには、事前の清掃を徹底し、ガスの流量や流速に注意を払いましょう。
アルミの溶接が難しい理由⑤熱により均一な溶接が困難
アルミの熱の伝わりやすさは、溶接の精度にも影響します。溶接は素材の原子にある自由電子が引き合い、電子軌道が重なって新しい電子軌道ができることで接合されます。しかし、熱が伝わりやすいアルミは、自由電子の動きが活発になってしまい、歪みが生じてしまうのです。
結果的に、母材の接合部やその周辺が歪みにより不均一な仕上がりとなり、精度が落ちてしまいます。よって、熱を逃がしたり、一部に熱が集中しすぎないようにするといった対策を講じる必要があります。
あらゆる材質の中でもアルミは一番溶接が難しい?
アルミ溶接は難しいとよくいわれますが、あらゆる材質の中で最も難しいのでしょうか。
難易度で最も高いのはアルミとは限りません。チタンやニッケル基合金など、さらに厳密な温度管理と雰囲気制御が必要な材質も存在します。つまり、アルミは確かに難しい材質ですが、「最も難しい」とは一概にはいえず、応用分野や要求される品質によって変わってくるのです。
会社によっても得意分野は異なりますので、会社を選ぶ際はどの材質の溶接を得意としているかという点にも注目してみることをおすすめします。
溶接しやすいアルミはある?
溶接が難しいといわれるアルミですが、比較的溶接しやすいアルミもあります。中でも溶接しやすいと言われているのは、1000系・3000系・5000系です。
| 1000系(A1050、A1100など) | 溶接性に優れているが、酸化皮膜ができやすい点に注意が必要 |
|---|---|
| 3000系(A3003など) | マンガンを添加した合金で、耐食性と溶接性のバランスに優れている |
| 5000系(A5052、A5083など) | マグネシウムを含み、強度が高い一方で溶接性も良好 |
溶接以外の接合方法や種類もあります
溶接についてここまでご説明しましたが、アルミはろう接(ろう付け・はんだ付け)でも接合できます。

ろう接は、溶接よりも低い温度で接合するため、接合するのは容易だと思われるかもしれません。しかし、実はろう接もまた、難易度の高い加工です。
ろう接はろうを溶かして接合します。このろうの融点とアルミの融点が非常に近いため、ろうだけでなく母材も溶かしてしまうおそれがあるのです。
小池製作所では加工が難しい金属のろう付けやはんだ付けにも対応しており、こちらの記事でも詳しくご説明しておりますので、あわせてご覧ください。
溶接が難しいアルミの加工事例
アルミの溶接は難しいため、本当に溶接ができるか実際に見て確認したい方もいらっしゃると思います。そこで、アルミの板金とポールの溶接事例をご紹介します。
こちらはお客様が展示会で使用するために溶接した金属部品です。

お写真を見ていただくと、溶接部分が綺麗に仕上がっているのがおわかりになるのではないでしょうか。母材の溶接歪みはプレスなどで修正し、精度よく仕上げております。
弊社には、アルミ溶接の資格を保有している社員がおりますので、確かな技術で難しい溶接にも対応することが可能なのです。
技術的にアルミの溶接が難しい・難易度が高いとお困りなら
アルミは溶接による接合が難しいため、依頼先や外注先がなかなか見つからず困っていたところ、弊社を見つけてお問い合わせいただくことも多いです。
小池製作所は、多くの製造業者が集まる大田区で60年以上金属加工を行っており、今回ご紹介したアルミ以外にも多くの溶接実績があります。このコラムではアルミの溶接についてご説明していますが、溶接による接合以外にも主に以下のような加工・製造を行っております。
- 船舶部品製造(特急・短納期)
- めっきを必要とする製品の製造
- 船舶レーダーのハードウェアの製造
- 導波管の製造
- RoHS対応製品の製造
上記のほか、金属加工全般に、設計〜組立まで対応可能です。
難易度の高い溶接に対応可能な技術力と保有している溶接機
小池製作所は、これまでの実績が豊富なだけでなく、お客様のご要望にお答えできる設備と人材、そして協力会社とのネットワークを整えております。
▼弊社保有の溶接機
- アーク溶接機:ダイヘン KRJA-250 最大250A
- TIG溶接機:パナソニックYC-300W4
- 半自動溶接機:パナソニック PANA-AUTO KR350
また、難易度の高い溶接を行うためには、常日頃から技術を磨くことが求められます。小池製作所ではベテランと若手が共に働いており、これまでに培ってきた加工・製造知識を共有しながら、日々技術を向上させています。
難しい溶接は小池製作所にお任せください
難しい溶接でも、対応可能な会社や外注先をお探しの方は、小池製作所にお問い合せください!弊社では、アルミのほかにもステンレスと鉄の溶接が可能です。
また、溶接のみならず金属加工全般にも対応しておりますので、そのほか必要な加工や部品の調達などございましたらあわせてご相談ください。それぞれ、設計担当、営業担当、調達担当と、専門的な知識を持つ社員が揃っておりますので、安心してご相談いただけます。
【お問い合わせ】
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