アルミとステンレスのロウ付けはできる?難易度の高い接合方法について詳しく解説
アルミとステンレスのロウ付けは可能?
アルミとステンレスはロウ付けによる接合が可能です。ロウ付けをおこなうことで、アルミとステンレスのような異種金属同士でも十分な強度で接合できます。金属をくっつける加工といえば溶接が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、アルミとステンレスの溶接は職人の腕をもってしても非常に難しいです。
以下では、アルミとステンレスの溶接が難しい理由とロウ付けする際の注意点を詳しく解説します。異種金属の接合方法について知りたい方は、ぜひご一読ください。
アルミとステンレスの溶接が難しい理由
アルミとステンレスの溶接が難しい理由は、おもに以下の2点です。
- 融点が異なる
- 熱伝導率が異なる
融点が異なる材料の溶接は、簡単ではありません。片方の材料が溶融する温度でも、もう一方の材料は溶けていなかったり、溶融しすぎて流れ出したりします。材料同士がしっかりと混ざらないため、接合部に変形や空隙が生じてしまいます。
アルミの融点が約600℃であるのに対して、ステンレスの融点は1,400℃程度です。融点が2倍以上異なるため、溶接が非常に難しいです。
熱伝導率も、異種金属同士の溶接に重要なパラメータです。熱伝導率が違う材料は、温度を上げたときの熱の伝わる速度が異なるため、溶接時の材料間の溶融は不均一になります。アルミの熱伝導率はステンレスよりも10倍以上高いのも、双方の溶接が難しい原因の一つです。
上記の事由からアルミとステンレスの溶接は難しいですが、小池製作所なら異種金属の接合が可能です。アルミとステンレスの接合方法にお悩みの方は、ぜひ弊社へお問い合わせください。
アルミとステンレスをロウ付けする際の注意点
アルミとステンレスをロウ付けする際の注意点は、以下のとおりです。
- 材料への前処理
- 温度管理
材料表面に付いている油分や酸化皮膜は、金属同士の接合を妨げます。接合前に、念入りに洗浄したり、フラックスと呼ばれる酸化膜除去の薬品を塗ったりして前処理を施すことが大切です。
接合時の温度管理にも注意してください。上述したとおり、アルミとステンレスは融点や熱伝導率が大きく異なるため、ステンレスに比べてアルミの加熱を抑える必要があります。
アルミとステンレスを均一に加熱するには、高度な技術が求められます。アルミとステンレスのロウ付けには熟練の技術が必要であることを把握したうえで、依頼先を検討してください。
ロウ付けとは?
ロウ付けとは、金属同士を接合する技術の一つです。接合材料(母材)よりも融点が低い、ロウ材と呼ばれる金属を溶かして接合部に流し込み、冷却して固めることで材料同士をくっつけます。ロウ材にはさまざまな種類があり、銀や銅、アルミなどの材料が使われています。
アルミとステンレスの溶接以外の接合方法を調べるなかで、メリット・デメリットや溶接・はんだ付けとの違いがわからない場合もあるでしょう
それぞれについて詳しく解説するため、アルミとステンレスの接合方法でお悩みの方は、判断の参考にしてください。
ロウ付けするメリット・デメリット
ロウ付けするメリットは、以下のとおりです。
- 接合する金属へのダメージが少ない
- 異種金属を接合できる
- 複数箇所を同時に接合できる
- はんだ付けよりも強度が高い
ロウ付けは、母材の融点よりも低温にしか加熱しません。低融点の金属を溶かして接着剤の代わりに使用するため、母材へのダメージを抑えられたり、複数箇所を同時に接合できたりします。ロウ材との適合性が良い材質であれば、異なる金属同士でも接合可能でしょう。
ただし、ロウ付けには、以下のようなデメリットもあります。
- 技術の難易度が高い
- 専用の設備が必要
- 溶接より接合強度が低い
母材同士をしっかりと接合するためには、流し込む金属の量や温度設定を適切におこなう技術が必要です。ガスバーナーのような専用設備も必要であるため、設備が大掛かりになる点もデメリットです。
溶接・ロウ付け・はんだ付けの違いとは?
溶接・ロウ付け・はんだ付けは、いずれも金属の接合方法ですが、それぞれ異なる特徴を持ちます。
溶接は、母材同士を溶かして接合する技術です。母材同士を直接くっつけるため、ほかの方法よりも強固に接合できることが特徴であり、建築物のような強度が求められる部材に使われます。
ロウ付けは、上述したとおり異種金属や複数箇所の接合ができる点が特徴です。接合強度は溶接に劣っていますが、はんだ付けよりは高いです。母材への熱ダメージは、はんだ付けより高く、溶接よりも低いです。
はんだ付けは、はんだと呼ばれる金属を接着剤の代わりとして用いる接合方法です。はんだはロウ材よりも融点が低い金属であるため、母材へのダメージを抑えられます。ただし、3つの方法のなかで、最も接合強度が低い点に注意が必要です。
小池製作所は難易度の高いロウ付けに自信があります
小池製作所には、難易度の高いアルミとステンレスのロウ付けの実績が多数あります。熟練の職人が一つひとつの工程を丁寧に手作業でおこない、高品質な仕上がりで納品しています。
近年は手作業による細かな作業ができる職人や業者は少なくなっており、「また依頼しようと思ったのに倒産していた」というケースも多いです。小池製作所はベテランが若手に技術を継承しており、安定して依頼を受けられる体制が整っているため長期間の定期的な依頼も可能です。
小池製作所の過去のロウ付け事例
小池製作所のロウ付けの過去の事例を一部紹介します。
- アルミフロートのロウ付け加工
板厚1mmのアルミ製フロートのロウ付け加工をおこないました。非常に薄いアルミはロウ付けの工程で穴が開いてしまう可能性があるため難易度が高いですが、5回の試験を重ねて成功いたしました。
- アルミ製導波管のロウ付け加工
電波を送るために使われる導波管のロウ付け加工をおこないました。導波管は密封性を高くする必要があり、ロウ付けが最適です。
- ロボットの指先のロウ付け加工
細かな作業をおこなうロボットの指先のロウ付けにも対応した実績があります。真鍮の板、棒、銅のバネという異種金属の接合でしたが、各材質に影響を及ぼすことなく完璧に仕上げられました。
そのほかにも、小池製作所には多数の製作実績があります。公式サイトには過去の事例を多く掲載しておりますので、ぜひご参考にしてみてください。
製作事例はこちら>
アルミとステンレスのロウ付けのご相談は小池製作所へ
アルミとステンレスのロウ付けは非常に難しく、高い技術力と豊富な経験が求められます。小池製作所は金属加工にこだわり続けて66年の実績があり、難しい加工も歓迎しています。アルミとステンレスのロウ付け以外にも、設計から加工、表面処理、組み立てまで、ものづくりのプロ集団である小池製作所が丁寧にヒアリングをおこないながら作業を進めてまいります。
失敗できない金属加工の依頼先にお悩みの方は、ぜひ一度小池製作所にご相談ください。
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